コラム

2023年4月から‼中小企業も大企業同様の時間外労働の割増賃金に⁉
中小企業が実施すべき改善ポイントを紹介

2023.12.07

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2023年4月から中小企業も大企業と同様に、月60時間を超える残業割増賃金率が50%から引き上げることになりました。今までは25%と少ない金額の残業代でしたが、50%となると中小企業からすると厳しい金額になると思います。

そこで、今回は中小企業における60時間を超える割増賃金率の引き上げについて解説と中小企業がとれる対策を紹介します。

時間外労働の割増賃金とは?なぜ割増賃金になったのか

中小企業の割増賃金は決まっていた?
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2019年4月に「働き方改革関連法」が施行されました。これによって働き方が見直され、月60時間を超える時間外労働に対して支払う割増賃金を、従来の25%から50%の割増率に引き上げることが決まりました。大企業では、すでに支払い義務が生じておりましたが、中小企業には、猶予期間が適用されていたので割増賃金を従来の25%で支払っていました。ですが、2023年4月1日から猶予が廃止になり、中小企業においても同様の支払い義務が発生しています。

割増賃金を導入する背景

企業の長期にわたる時間外労働を抑制させる事が目的です。月60時間以上の残業が多い中小企業には、多くの残業代を支払わなければならない為、猶予を与えていました。長時間労働を減らす環境づくりを備える必要があります。

該当する中小企業とは?
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中小企業に該当するかは、下記の表の①または②を満たすかどうかで企業単位で判断されます。該当するか否かで対応が大きく変わりますのでチェックが必要です。

業種① 資本金の額または出資の総額② 常時使用する労働者数
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下300人以下
上記以外のその他の業種3億円以下100人以下

※詳細は下記を参照のこと

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf

2023年4月以降から割増賃金はどのように変わったのか

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深夜帯・休日出勤によって賃金の割り増しになる?

深夜帯による割増賃金は発生します。計算の割合は下記になります。

25%以上(深夜割増の割増賃金率)+50%以上(時間外割増賃金率)=75%以上

月60時間を超える残業をし、休日出勤をしても深夜割増は発生しません。深夜勤務さえなければ通常の休日割増の割増賃金率35%のままです。
ただし、これは法定休日の場合で、社内の公休日(会社が指定した休日)などの法定外休日に月60時間を超えて時間外労働が発生した場合、割増賃金率50%で残業代を計算します。

アルバイトやみなし残業代は割増賃金に含まれる?

働基準法の規定は雇用形態に関わらず適用されるため、契約社員やアルバイトにも、割増賃金を支払う必要があります。残業代が固定で支払われる「みなし残業制度」を導入している場合も、割増賃金が生じます。みなし残業として定められている時間を超えた分は、時間外手当(残業代)を支払わなければいけません。増割率は以下のようになっています。

1日8時間、週40時間の法定外労働を超えた労働時間には25%以上、
時間外労働が月60時間を超えた場合は50%以上

雇用形態に定めなく働いている人みんなに時間外手当を支払う必要があります。割増率を含め経理や人事の担当者はチェックが必要です。

中小企業はどのように備えるべき?雇用を増やす?減らす?

残業を最小限に抑える為にできること
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残業をしないようにするには、きちんとした勤怠管理が必要です。
その他にも、以下のような様々なポイントがあります。

業務の効率を上げる為の環境づくり

  • クラウドサービスの活用
    勤怠管理システムの整備による労働時間の正確な管理
  • 社員のスキルアップの為の研修や活動
    社員一人ひとりの能力を上げ意識を高め効率を上げる

代替え休暇制度(有給)の導入

残業代の代わりに有給を与える制度はすぐにでも対応できるので、取り入れるべきですが、条件があるので注意が必要です。
月60時間を超える法定時間外労働を行った従業員の健康を確保するための代わりに有給の休暇(代替休暇)となるので、労使協定の締結が必要です。

労使協定の締結って?
  1. 代替休暇の時間数の具体的な算定方法

    換算率を何%にするかなど、具体的な算定方法を決めます

  2. 代替休暇の単位

    1日、半日、1日または半日のいずれかによって与えることとされています

  3. 代替休暇を与えることができる期間

    1か月60時間を超えた月の末日の翌日から2か月間以内の期間で与えます

  4. 代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日

    賃金の支払額を早期に確定させる。割増賃金支払はどのように支払うか決めます

上記を決めて、労使協定の締結し取り入れるべきだと思います。代替え休暇は強制ではないので、労働者が取得する意思がないと適応できません。
今後3年間は条件を満たす中小企業は適用が猶予されます。厚生労働省の改正労働基準法よりご確認下さい。

※詳細は下記をご参照ください

厚生労働省 改正労働基準法
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/091214-1_03.pdf

雇用を増やすことは人手が増えるので、業務も減ると思いますが、即戦力ではないので人材育成をする時間を考えると、一つの業務だけでもクラウドサービスに委託することで、一人の人件費を払うよりコストを抑え、今いる人材が残業せず快適に仕事ができると思います。

生産性を上げるためのおすすめサービス

生産性を上げるためには、正確な勤怠管理も重要です。
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年々変わる法改正にも対応していますので、安心してアウトソーシングできます。

まとめ

2024年4月から残業代の割増が施行されましたが、中小企業が備えるべき点をお伝えしました。
生産性を上げるためのサービスを利用することで、割増賃金を少なく抑える事だけでなく、人件費の削減やペーパーレス化など様々な中小企業の問題が解決します。
この機会に、試してみてはいかがでしょうか。

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